アメリカ心理学会が公式webに掲載した記事の翻訳。タイトルは、Keeping Distance to stay safe .です。日本語タイトルは「距離を保つことを求められたら」
感染予防のための、個人個人の距離の取り方や、それを求められたときの心理的な葛藤について。さらに、検疫や隔離のさいの、心理的な理解についても書かれています。
●何が起きるのか
恐怖と不安
抑うつと倦怠
怒り、フラストレーションやイライラ
スティグマ化
社会的弱者
人間は距離をとられると、自分自身が否定されたと感じやすく、そこで、上記のような心理的な葛藤が起こりやすくならるそうです。
頻繁にハグをしたり握手をしたりする文化がない日本でも、自宅や病院などにこもっていると不安は大きくなります。そうなってもそのことが決して自分自身の存在を否定されているわけではないことを理解しておきたいものです。また、他人に対してもそうであることを、相手にも知っておいてもらい自分でもわかっておきたいですね。
●どう対処するか
信頼できる情報を獲得しよう日々のルーティンを作り、それを守ろう他者とのヴァーチャルなつながりを保とう健康的なライフスタイルを維持しようストレスを管理し、前向きでいるために心理的方略を使おう
距離をとったとしても、気持ちを伝えあうことはできます。ヴァーチャルなつながりであっても、優しい声のトーンや笑顔などによってもそれは伝わっていきます。
また、日々のルーティンを作り、健康的なライフスタイルを維持するためにできることを実践していくことは、メンタルを健康に維持していく意味でもとても大切なことだと思います。
これが出されたのは4月の上旬。
改めて読み返すと、さらに書かれていることの大切さが実感されます。
悲しみや不安を感じている場合は、こうした方法で自分が経験したことや自分の気持ちについて話し合ってみてください。そして、似たような状況にある知り合いにも手を差し伸べましょう。SNSで、同じような隔離状況に置かれた人々同士で話し合い、互いに助け合うためのグループを作るのもよいでしょう。
FBやZoom、LINEなどが、あっという間に自分の周囲で盛んになってきています。
TVでは動物ものなどが多くなっているような気がしますし、自分自身もそういう映像にこころを癒されているような気がします。
また、その後に起こることとして、安堵の後の怒りや不安についても書かれています。
その後に起こること隔離が終わると、安堵と感謝、あなたにウイルスを移されるかもしれないと恐れていた人々へのフラストレーションや怒り、さらには個人的な成長や精神性の向上といった、いくつもの入り混じった感情を持つかもしれません。不安を感じることもごく普通にあるでしょう。
自粛状態が長引いてきており、すでに怒りやフラストレーションがいろんなところへ向かって噴出されているなどのニュースも目にします。もう少しと思っている自粛要請が伸びることになったら、さらに行き場のない不満やいらだちが増大していきそうにも思います。家の中で人に触れる機会のないままだと、自分一人だけがこんな思いをしているような気にもなってくると思います。気持ちだけでも外に向けて、それぞれの家の中でも同じようなことが起こっているだろうと想像し、ヴァーチャルでもよいので実際につながってみて、同じ思いであることを確認することはとても大切だと思います。
リアルに人と会えること、何気ないおしゃべりが大切な役割をしてくれていることをしみじみと感じる今日この頃です。