「生殖補助医療の提供などおよびこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案」が提出されました。
まだ法案の段階です。
柘植あずみ氏がかかれた記事ではこの法案に期待も抱いていたが、開けてみると課題が多いと指摘します。
たとえば、シングルの女性または男性は、同性カップルは、生殖補助医療を使えるのか、卵子や精子の提供は無償なのか有償なのか、代理出産を認めるならそれは無償なのか有償なのか、提供者や代理出産者に健康被害が生じたときにはどう保障するのか、出自を知る権利を認めるための提供者と生まれた子の個人情報の管理はどうするのかなどが、まったく記載されていない。
海外の先例を挙げながら、この日本の法案の不十分さを説明しているこの記事はわかりやすくとても勉強になります。
「こんな法案が必要か」という意見も目にすることがありますが、出自について考えたことのない多くの人は、出自が半分だけでも判明しないその苦悩を知るべきだと思います。当事者の声を聴いてからコメントや意見がなされるべきだと思うのです。
有償か無償か、を理想論で論じるのではなく、実際にお金がかかっている現実を踏まえたうえで論じられるべきだと思います。
ただ、”不十分”かもしれませんが、これまで声を上げ続けていたのに届かず悔しい思いをしていた不妊治療の様々な課題に、ひかりが当たりやっと見てもらえるようになったタイミングを逃すことなく一部であっても法案を通したいという思いも理解できます。このタイミングを逃したら、「もう論議は尽くされた」とされてしまいかねない不安があります。一部であっても法として形を成していれば、修正やさらなる論議もそこからスタートできるように、私は思います。